『人生で大切なことはコーヒーが教えてくれる 電子書籍版』
著者:テレサ・チャン 著 佐々木 雅子 訳
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
私はコーヒーを淹れるたび,条件のわずかな差が結果を大きく変えることを実感します。湯温,挽き目,蒸らしの時間。その積み重ねが味を決めます。本書を手に取ったのは,この具体的な営みが,人生における選択や姿勢とどのように重なるのかを考えてみようと思ったからです。日々の判断は些細に見えても,時間の中で確かな差を生みます。本書はコーヒーを題材にしながら,行為の背後にある原則を言語化しようとしたものです。身近な習慣から生き方を問い直す視点を持ちたい方に,手に取っていただきたい一冊です。
『ADHDの子どものためのマインドフルネス』
著者:シャロン・グランド 著 タイア・モーリー イラスト 芦谷 道子 訳
出版社:創元社
なぜ私は落ち着いて座り続けることが難しいのか。なぜ関心は次々に移り,強い興味がなければ集中が続かないのか。こうした問いを自分に向ける中で,本書に関心を持ちました。診断を受けたわけではありませんが,注意が波打つ感覚は常にあります。また「ADHD relief sound」と呼ばれるものを聴いた際,状態が驚くほど整う経験もしました。本書は特性を矯正するのではなく,注意との付き合い方を具体的に示しています。子ども向けの形式でありながら,注意と環境の関係を再考させる一冊として紹介したいと思います。
『ヘンな科学 -“イグノーベル賞”研究40講-』
著者:五十嵐 杏南 著
出版社:総合法令出版
研究には王道があります。しかし,王道だけが価値を持つわけではないと私は考えています。むしろ,多くの研究者が価値を認めない問いにこそ,思考の可能性が残されていると考えています。本書はイグノーベル賞の研究を通して,一見くだらなく見える問いが厳密な方法によって成立しうることを示します。奇妙さの背後には,前提を疑う態度があります。本書を読むことは,研究とは何かを問い直すことでもあります。評価の枠組みに縛られない思考のあり方を考える契機として紹介したいと思います。



